副業の不動産業について確定申告する必要があるのか?

2月になりました。もうそろそろ確定申告する方は手を付けなくてはならない時期に来ています。たとえば、サラリーマンの方が副業として不動産業を始めた場合に、果たして自分は確定申告をしないといけないのだろうか・・?という疑問を持たれるかもしれません。今回は、確定申告しなくてはならないかどうかの判断について事例を挙げて解説したいと思います。(令和5年2月現在の法令に基づいています。詳しくは税理士、税務署におたずねください。)

駐車場を貸す副業を始めたけれど、申告しないといけないの?

給与年収400万円の会社員Aさん、今の仕事は嫌いじゃないけど給料だけでは物足りなくて副業を考えました。知人から400万円で土地を買ってもらえないかと頼まれていた物件があり、ここで駐車場経営をやってみようと思いました。

自己資金400万円で土地を買い、4台分の貸し駐車場の募集をかけたらすぐに借り手が決まり令和4年6月から駐車場経営開始。

駐車料は1台につき月額6000円で、4台分あるので、Aさんには毎月24000円収入が入りました。働かなくても毎月24000円収入が得られていいお小遣い稼ぎになりました。

この場合確定申告する必要があるのでしょうか?税理士に確認しました。

給与以外の所得が20万円以下なら副業は申告しなくていい

以下国税庁のホームページから引用します。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人

2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得および退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人

3 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得および退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人

(注) 給与の収入金額の合計額から、雑損控除、医療費控除、寄附金控除、基礎控除以外の各所得控除の合計額を差し引いた金額が150万円以下で、かつ、給与所得および退職所得以外の所得金額が20万円以下の人は、申告の必要はありません。

4 同族会社の役員などで、その同族会社から貸付金の利子や資産の賃貸料などを受け取っている人

5 災害減免法により源泉徴収の猶予などを受けている人

6 源泉徴収義務のない者から給与等の支払を受けている人

7 退職所得について正規の方法で税額を計算した場合に、その税額が源泉徴収された金額よりも多くなる人

国税庁HP

とあります。この中で該当しそうなのは2番の給与所得以外の所得合計額が20万円を超える人という条件です。

Aさんについて具体的に確認してみましょう。

令和4年分の所得の確認(6月~12月までの7か月)

令和4年分は1か月駐車場代24000円×7ヶ月=年収168,000円

ということで、給与以外の所得が確実に20万円以下ですので申告不要です。今年は申告せずとも済みました。

では令和5年からどうするか?来年も引き続き駐車場の借り手が続くという条件で確認します。

不動産収入24000×12か月=288,000円

令和5年分にに予想される経費は土地の固定資産税8万円のみ。差し引き所得208,000円で給与以外の所得が20万円ぎりぎり超えてしまいそうなラインとなってしまいました。

副業所得20万円超えでしたら確定申告する必要がありますが・・・・。

青潮申告承認申請書を3月15日までに提出する

税理士から得た回答としては、令和5年からの「所得税の青色申告承認申請書」を提出することをお勧めしますということでした。それをもう少し丁寧にお話しします。

国税庁ホームページから引用します。

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

[手続対象者]

事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う方(非居住者の場合には業務を国内において行う方)のうち、青色申告の承認を受けようとする方

[提出時期]

青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内。)に提出してください。

とあります。

国税庁HP

青色申告の承認を受けると、10万円または55万円(電子申告すれば65万円)の特別控除を受けられます。青色申告にはさまざまな優遇措置がありますが、10万円の青色申告特別控除は、事業所得や不動産所得、山林所得がある人なら誰でも利用できますから、当てはまる個人事業主は申請したほうがよさそうですね。

しかし不動産所得で65万円の青色申告特別控除を利用するためには、事業的規模と認められることが条件です。不動産所得の事業的規模には基準が設けられており、

  • アパートやマンションで10室以上、
  • 貸家で5軒以上、
  • 駐車場ではおおよそ50台以上です。

Aさんの場合はさすがに事業規模とは認められないでしょうけれども、不動産所得に対して10万円の特別控除を受けられそうです。10万円の青色申告特別控除は現金主義や簡易帳簿による記帳も認められていますのでそれもまたAさんには余分な事務仕事が減って逆にメリットといえます。

それで、所得の計算に戻りますが、

収入24,000円×12か月=288,000円 から 経費:固定資産税 80,000円 差し引き

不動産所得 288,000円-80,000円=208,000円 に青色申告特別控除10万円で

最終的に不動産所得は108,000円となります。

副業所得20万円超かどうかの判断は青色申告特別控除額の10万円を引いた後の額となりますから、10万円を引けるのでしたら確実に20万円以下となり結果的に申告不要となります。

これで申告は不要とわかったのですが、この計算通りにするためには令和5年3月15日までに青色申告承認申請が必要ですので申請を出すことを税理士と共にAさんにお勧めいたしました。

以上のように、Aさんついては申告不要と分かりました。この事例では駐車場経営というシンプルで安定した収入の話でしたので計算が簡単でしたが、他の事業所得では複雑な所得計算となり、申告不要となるかどうかは毎年きちんと帳簿を付けて計算してみないとわかりません。また、青色申告の承認を得るためには開業届が必要で、開業届を出すということは自営業者になるので、本業で失業したときに失業給付がもらえなくなる可能性が高いというデメリットもあるということをご承知いただく必要があります。

どなたかのご参考になりましたら幸いです。よかったらまた私のブログを見てください。

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